2023.10.27
昨日、審査会が開催され、最優秀賞、および各賞が決定しました。
海外からの応募もありつつ、一方で恐らく滋賀からの参加者もいて、幅の広い分野の未来像を提示していただけました。
審査員4名の他に、今回の活動にご協力いただいている市木市議にも参加いただき、合計5名の審査員で審査にあたりました。厳正な審査の元、各賞の発表をここでさせていただいます。
最優秀賞(e2Park大賞)「City server」
菊地悠 山根茂樹 (工学院大学大学院)
優秀賞 「eスポーツを纏う」後藤真 (後藤真建築設計事務所)
佳作 「屋上地表作戦」柿崎翔午(滋賀県立大学)
佳作 「eスポーツで世代を超えろ」
峠大樹 藤村虎一、潮優貴、鈴木隆仁、大野尊誼 (大阪大学)
おめでとうございます。後ほど事務局より個別にご連絡差し上げます。
最優秀賞(e2Park大賞)City server
菊地悠 山根茂樹 (工学院大学大学院)
〇講評
eスポーツやデジタル技術が加速する昨今、データセンターの需要が増すことは間違いないが、本来誰も入る必要のないデータセンターをコミュニケーションの中心地として捉えた意欲的な提案。
サーバーが発熱することやその冷却が必要なことなどからくる設備的、建築的形態とその形態(多面体)に映し出されるeスポーツの映像が、新しいコミュニケーションを生む可能性を感じられたところに、審査員の票が入った。
特にデジタル教育の専門家密山審査員はワクワクするような空間と評価し、eスポーツプロ選手である福岡審査員は、eスポーツに対する理解が熱いとの高評価を得ている。その他、すべての審査員が票を入れた文句なしの案。
スポーツ観戦における選手(フィールド)とファン(観客席)の関係を一から見直し、eスポーツならではの空間としての可能性を感じたところも建築的に評価できる。(本多)
優秀賞 eスポーツを纏う
後藤真 (後藤真建築設計事務所)
3Dホログラム等の映像技術の進歩によって、レイヤーごとに違う映像を見ることが出来る未来住宅の提案。日常生活のあらゆる行動と、その時の高さごとに映像がきり変わり、生活の一部にeスポーツが密接に関わってくる。
意外?にも年長者である、審査員の市木議員と中川審査員の注目を集めた案。
指向性の強い映像、スピーカーにより、家族が違う活動(ゲームや音楽等)をしていても、同じ空間を共有できるという点で、新しい住宅の形になる可能性があると、両氏は絶賛する一方で、食事中はeスポーツをやめてほしい気もするという常識的な意見も…
この案を拡大解釈すれば、店舗等の空間で、食事内容や季節等の変化に対応した映像と音声を提供でできる等、新しい店舗、サービスが生まれる可能性があると市木審査員。(本多)
佳作 屋上地表作戦
柿崎翔午 (滋賀県立大学)
一番多くの時間を費やし議論した案で、映像技術や太陽光を室内(地下)に取り込む技術が発達した未来において、「地上を自然に譲ったまち」を提案している。
過疎、高齢化と環境問題の山積する現代、本当に「地上を自然に譲る」未来が差し迫っている。日本全国に、限界集落は2万といわれている今、テーマ設定は大変すばらしく、各審査員が揃ってピックアップしたが、「地下は自然と捉えてないのだろうか?」「譲るなら、植物の根や水脈、土壌も譲れないか?」「水害時や、停電時を考えると何故地下なのか?」等のテーマと地下との関係が惜しいということで、佳作にとどまった。
とても大きなテーマで、いい着眼点だと思うので、是非、デジタル技術やeスポーツが、「自然に譲る」為にできることを、これからも考えてほしいと思う。(本多)
佳作 eスポーツで世代を超えろ
峠大樹 藤村虎一、潮優貴、鈴木隆仁、大野尊誼 (大阪大学)
数少ない、e2Parkがある滋賀県を舞台にした提案。もしかしたら市内に住んでいる人?というリアルな市の状況をとらえている。eスポーツ×商店街=交流という真正面から提案しているが、提案が正直すぎて、審査員の皆、損得勘定(収支計算)を始めてしまったのが、提案としてはもったいなかった。
コアな選手やファンの人数は総数が少ないし、ゲーム好き程度なら自宅でも楽しめる。リアルな空間に集まりたくなる「仕掛け」部分を強調した案の方がよかった。ただし、この提案によって、審査中に身近な問題としてそれぞれの審査員が捉え、議論に時間を使ったことを加味して、佳作とした。
番外編(普通ここまで開示しませんが…オマケ)
私(本多)が、コンペのお題を考えるときに、1時間で数案考え、難易度を調整します。今回、ちょっと、難しかったですかね?
私の都合(新型コロナ)で審査が延期し、その外出自粛時間で、春に考えたメモを基に、提案のプレボを作ってみました。本多としては、こんな案が出てきたら、良いな~というものです。次回も開催したいので、その参考にしてみてください。
「eスポーツ(デジタル技術)」×「○○」で考えています。
~宝探しゲームを通じて水辺の環境を学ぶ~
湖の指定されたエリアの内で、水中ドローンを利用し、宝を探す静かで熱いe-スポーツを提案する。
水中に沈む宝にはポイントが決められており、回収した宝の総得点で競われるが、ペットボトルやビニルゴミ等の回収も得点となる。
水中ドローンにはカメラが搭載されており、在来希少種の魚や水生植物を撮影することでも得点になることから、水辺の動植物の知識や生態を知ることも勝負に必要であるし、葦や葦の枯葉がドローンに巻付くと失速する為、植生への知識も必要な競技になっている。
若い世代に水辺への知識と意識を持たせ、環境共生のまちづくりにつなげていく。
「未来の3Dプリンター技術」×「環境建築」
マイナスをプラスに変える「地産地消建築」
~ペットボトルを原料にする3Dプリンターで作る未来~
3Dプリンターで建築を作る技術は既に確立している。近い将来、ペットボトルを原料にして、建築が可能になるかもしれない。
日本の海岸線には、大量のゴミが漂着し、その多くは海洋投棄されたペットボトルだ。これらを集め、その場で3Dプリンターの原材料として建築を作る未来を提案する。建築の3Dデータさえ作れれば、工場への輸送も必要ない。ゴミを集められる場所が一番いい「地産地消建築」になる。
「eバイク」×「観光都市」
びわ ぶんの いち
~歴史と建築、アートを巡る「びわいち」を、分割して体験する eサイクリング~
琵琶湖一周サイクリング(びわいち)は楽しそうだが、200Kmは、けっこうしんどい。
そこで、琵琶湖に面する自治体に1つ、建築家やアーティストに依頼した
休憩所と、その最寄りの駅にレンタルサイクルステーションを設置する。
どこから始めても良く、乗り捨てOK。シャワー完備のお試しびわいち。
記録映像データは、クラウドに保管し、悪天候なら、「e2Park」内で
eサイクリングにて進めることも可能。月に1回、「びわぶんのいち」進め、
楽しみながら、滋賀の歴史と建築を巡る。滋賀の観光人口増加と、健康増進
を、デジタルツールとアートを使って進めていく提案。
「eスポーツ」×「林業」
未来の林業を担うバトルゲーム
担い手が少なく、勤務地が僻地。そんな林業を救うバトルゲームを提案する。
操作方法は一般的な重機の運転、操作方法に近くすることで、仮想空間内で、
ゲームをしながら実際の重機の操作スキルを得ることができる。
つかむ、切る、運ぶ等できる2本の腕と、2足もしくはクローラーを、
レギュレーションとする重機を遠隔操作しミッションをクリアしていく。
子供のなりたい職業1位「林業」を目指すメカデザインとする。
以上、今回のお題作成者本多の独り言のコーナーでした。
これからも、eスポーツやデジタル技術を使ったまちづくり、建築をテーマに活動していこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
2023.10.11 本日コンペ審査会開催の予定でしたが、審査員の新型コロナ感染の為、延期になりました。応募していただいた方には申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちください。
問い合わせファームの設定に問題があり、今までメールを受け取ることが出来ていませんでした。大変申し訳ございません。
もし、今回のコンペ会期中にご連絡いただいた方は、再度お送りください。
2023.09.12 審査員を追加いたします。
福岡 奨鯉 REDEE、e2PARK講師。
LAKE GAMING代表兼、大乱闘スマッシュブラザーズ部門所属
密山 裕貴 e2PARKプログラミングカリキュラム監修
REDEE株式会社 代表取締役 株式会社Rubik’s 代表取締役
JAPAN MENSA会員
2023.07.15 サイトをオープンします。元々HOOP企画のラアトレ学生実施コンペのサイトです。アーカイブ(現在制作中)より過去のラアトレ学生実施コンペの内容を確認できます。